お腹の奥の脂肪と脳をつなぐのは「血糖」かもしれない

では、内臓脂肪はどのような道すじで脳と結びついているのでしょうか。
チームが血液のさまざまな目印を調べたところ、試験開始時の値で見ると、脳の長期的な変化と関係していた代謝の目印は、空腹時の血糖値と、長い期間の血糖の状態を表す目印だけでした。
血液中のあぶら(脂質)や炎症の目印には、こうした関係は見られませんでした。
研究チームは、内臓脂肪が血糖の調整を乱すことが、脳に悪い影響を与える主な道すじかもしれないと考えています。
内臓脂肪が減って血糖の状態がよくなれば、脳の組織にかかる負担がやわらぐ可能性があるというわけです。
ただし、この研究には限界もあります。
参加者の86%は男性で、多くは太りぎみか肥満の人だったため、女性や体重の軽い人に同じことが言えるかは分かりません。
また、最初の脂肪の減少はくじ引きのように組分けした試験の中で起きたものですが、その後の長い追跡は、様子を見守るだけの調査でした。
試験が終わった後の暮らし方は管理されていないため、長い期間のデータについては、内臓脂肪が脳の変化の原因だとまでは言い切れません。
肝臓やすい臓といった臓器にたまる脂肪も、今回は測られていませんでした。
それでも今回の研究は、体重計の数字だけでは見えない変化が、何年も後の脳の姿と結びついている可能性を示しています。
ダイエットの成果を確かめるとき、本当に気にかけたいのは「何キロやせたか」よりも「お腹の奥の脂肪がどれだけ減ったか」なのかもしれません。
体重計は今日も正直に数字を出してくれますが、お腹の奥の事情についてはどうやら黙秘を続けるつもりのようです。
ちょっと高級な内臓脂肪が測れる体重計を購入しようと思います。




















