台所ごみが金属の「原料」になる意味

この方法の強みは、鉱石からカルシウム材料を作るという工程をまるごと飛ばせる点にあります。
グワラニ氏は、工程が少なくて済むこと、安定して持続可能な供給網を持てること、卵の殻が安いこと、そして使うエネルギーがはるかに少ないことを利点に挙げています。
同氏はこの方法を「規模を広げられ、エネルギー効率がよく、環境にも責任ある形で、生物由来のごみからマグネシウム系の複合材料を作る方法」と表現しています。
しかも摩擦攪拌押出は、マグネシウムと卵の殻の組み合わせだけに使える技術ではないようです。
研究チームは今年に入ってから、同じ方法で磁性をもつサマリウム・コバルト(SmCo5)の粉をスクラップのアルミニウムにすり込み、磁性をもつ複合材料を作れることも示しています。
捨てられていたものを、そのまま価値の高い材料に変えていく道が見えてきたと言えるでしょう。
毎朝なにげなく捨てている卵の殻も、見方を変えれば、立派な金属の材料になりうるものだったのです。
これからは卵を割るたびに、殻を捨てる手が一瞬だけ止まってしまいそうです。
でも私が一番気になったのは魔物を封印でも出来ちゃいそうな摩擦攪拌押出という名前です。



















