AIは217年前の暗号をどうやって解いたのか?

チャーチ氏がAIに渡したのは、手紙の画像1枚と、指示文(プロンプト)1つだけでした。
それから6時間後、AIは解読を終えていたといいます。
AIはまず、低解像度のスキャン画像から記号を書き起こしました。
さらにウェブで調べものをする中で、暗号史研究者ダニエル・タン氏がまとめた「部分的な対応表」を見つけ出します。
この表には33個の記号の意味が記されていて、手紙のおよそ3分の1をカバーしていました。
面白いのは、それまで誰もこの表を今回の手紙と結びつけていなかったことです。
チャーチ氏の理解では、タン氏はこの表を「ウジェーヌ・ド・ボアルネとグラモン将軍の間の暗号」として記録していたといいます。
チャーチ氏は、これは「マルモン」と「グラモン」の名前を取り違えた誤りだったのかもしれないと見ています。
いずれにせよ、AIは調べる途中で自らこの表を見つけ、今回の暗号に当てはめてみることにしたのです。
「そして、うまくいったのです!」とチャーチ氏は振り返ります。
AIはこの部分的な表をもとに、残りの記号がそれぞれ何を表すのかを割り出し、手紙を翻訳しました。
例えるなら、虫食いだらけのクロスワードを、すでに埋まっているマスを足がかりに解いていくような作業です。
もっとも、チャーチ氏自身も「最初は信じられなかった」と話しています。
AIがとんでもない主張をするのは誰もが経験していることですが、今回は答えを機械的に確かめられる点が違うといいます。
間違った鍵から、意味が通り、しかも歴史とも矛盾しない文章が出てくる可能性は、ほぼゼロだというのです。
チャーチ氏は「答えの候補を出すより、その正しさを確かめるほうがはるかに難しい」とも語っています。
「責任までは自動化できない」というわけです。






















