カフェインを飲んで、何時間もダッシュをくり返す実験

実験に参加したのは、健康な若い大人12人(うち女性4人)です。
参加者は、カフェインを飲む回と、効き目のない偽物(プラセボ)を飲む回の2回の試験を受けました。
どちらの回を先にするかはランダムに決め、どちらを飲んだのかは参加者にも研究者にも分からないようにしています。
カフェインの量は体重1kgあたり5.5mgです。解説記事によると、体重約68kg(150ポンド)の人なら約374mgで、ふつうのコーヒー4杯近くにあたるかなり多めの量です。
飲んでからおよそ60分後、参加者は3.5時間にわたる流れの中で、自転車こぎのダッシュを3セット行いました。
1セットの中身は、ほどほどの強さで5分間こいだあと、5秒間の全力ダッシュを6回くり返すというものです。
研究チームはダッシュで出せた力(パワー)のほか、血液中のカフェインとノルアドレナリン(体を活動モードにする神経の働きの目安になる物質)の濃さを測りました。
さらに、本人が感じる「きつさ」、脚の筋肉の痛み、呼吸、心拍数も記録しています。
脳の血流の目安としては、脳の太い血管(中大脳動脈)を流れる血液の速さを頭の外から測りました。首の血管(頸動脈)の血流も超音波で調べています。
飲んでから数時間後、ダッシュ力はどうなっていた?

結果を見ると、カフェインを飲んだ回は偽物の回に比べて、3セットを通してダッシュの平均パワーがはっきり高くなっていました。
上がった幅は0.5〜2.4%と小さめでしたが、効果は一貫しており、飲んでから3.5時間後まで続いていたのです。
さらに2セット目と3セット目では、一瞬に出せる最大のパワーも高まり、その差は最大で3.7%でした。
ここで気をつけたいのは、「3.5時間で効き目が切れる」と分かったわけではないことです。
解説記事も指摘するように、研究チームが最後に測った3.5時間後の時点でも、まだ効果が残っていたということなのです。
このとき、体の中でも変化が起きていました。
カフェインを飲んだ回では、血液中のノルアドレナリンが多くなっていました。
その一方で、参加者が感じる「きつさ」や脚の筋肉の痛みは、偽物の回より小さくなっていたのです。
また心拍数は上がり、吐き終わりの息に含まれる二酸化炭素の濃さは下がりました。
脳の血流の目安である中大脳動脈の血液の速さも、カフェインを飲んだ回では下がっていました。
研究チームは、ダッシュ力の向上が、神経の働きの高まりやつらさの感じにくさ、心臓と呼吸の変化と同時に見られたとまとめています。
ただし、これらの変化がダッシュ力を上げた原因だとまでは、今回の結果だけでは言い切れません。
また参加者は健康な若い大人12人で、運動も自転車での短いダッシュです。ほかの運動や人にも同じことが言えるかは、今回の研究だけでは分かりません。
解説記事も、体への負担や睡眠への影響を避けながらバランスよく取り入れることをすすめています。
運動前に1回飲んだカフェインは、数時間にわたって静かに背中を押し続けてくれる存在なのかもしれません。
とはいえ、ダッシュを何時間もくり返す日が来たら、カフェインより先に筆者の気合いのほうが切れてしまいそうです。




















