ゴーグルを手放した代わりに残った課題

もちろん、ゴーグルを手放したことには代償もあります。
鏡の板が光の一部を吸収してしまうため、とても明るいディスプレイが必要になります。
さらに板の大きさによって、見渡せる範囲がおおむね決まってしまいます。
論文自体も視野が限られていることを認めており、比較の表では視野の広さと持ち運びやすさを「条件付きで対応」としか評価していません。
また論文が示しているのは、いすの回転に合わせて景色が回る動きだけで、あらゆる方向を360度見渡せるとまでは言っていません。
視野の数値や、没入感を測った利用者のテストも示されておらず、視野が狭いことで没入感が損なわれるのかどうかはまだ分かっていません。
視野を広げる方法として、論文は鏡の板の上下と左右に平らな鏡を置くことを提案しており、理論上は実質の画面を最大6倍まで広げられるとしています。
試作機の実演では、この方法で視野が広がることが示されましたが、測定値は報告されていません。
研究チームは現在、車の中の作業スペースや体験型の博物館展示、建設機械の遠隔操作、災害対応ロボットといった使い道に向けて、企業の協力相手を探しています。
さらにその先には、ドラえもんの「どこでもドア」のように、2人が1つの仮想の景色を共有できるものを作りたいという夢もあるそうです。
仮想世界の入り口は、頭にかぶる装置から、腰を下ろす一脚のいすへと移ろうとしているのかもしれません。
いつも何気なく座っている肘掛けいすも、別の世界への扉の候補だと思うと、少し違って見えてきます。
ただし座ったまま仮想世界に入り浸りすぎると、今度は首ではなく腰が悲鳴を上げることになりそうです。






















ゴーグル顔を圧迫するから長時間付けられないし、これはいいなと思ったけど
実物写真見たら、とても個人宅に置けるものじゃないですね…
アミューズメント施設等で活躍しそう