11年間ずっと独身だった人だけを追いかける
独身の人の研究はこれまで、パートナーのいる人と比べる形で行われることが多くありました。
今回の研究を率いたのは、カナダのトロント大学で博士課程に在籍するエレイン・ホーン氏です。
ホーン氏は、独身の人の心の満足が時とともにどう変わるのかは、まだよく分かっていないと話します。
チームが使ったのは、人間関係と家族について長年続くドイツの全国調査(ドイツ家族パネル)のデータです。
2009年ごろから11年間、毎年の調査の回答をたどりました。
対象は、調査に加わった時の年齢が違う3つの世代です。
ここでは、18歳前後から参加した人を若い世代、26歳前後から参加した人を中間の世代と呼びます。
そして36歳前後から参加した人を、年上の世代と呼びます。
条件は厳しく、11回の調査すべてで「結婚したことがなく、決まった恋人もいない」と答えた人だけが選ばれました。
年を重ねるほど恋人ができる人は増えるため、条件を満たした人は若い世代で67%、年上の世代では14%だけでした。
こうして残った2930人を、11年間独身を続けた人として分析しました。
参加者は毎回、人生全体への満足、独身でいることへの満足、性生活への満足、恋人がほしい気持ちの強さを数字で答えています。
実は同じデータを使った以前の解析では、独身の人の人生満足度は年々下がっていくという結果が出ていました。
ただしそれは、全員が1本の平均的な道筋をたどると仮定した解析でした。
そこでチームは、時間とともに似た変わり方をする人どうしをグループに分ける統計の手法(潜在クラス成長分析)を使いました。
全員をひとまとめにせず、何通りの歩み方があるのかを取り出すためです。




