・日本の洞窟で、史上初めてコムシ目の新種2種が発見される
・そのうち1つはコムシ目の中でも最大の種であり、伝説の巨人ダイダラボッチにちなんだ命名がなされる
私たちがふだん意識しない「地中」では、地上とは異なる動物相が展開しています。中でも最も有名なのはナガコムシのグループであり、現在およそ150もの種がいることで知られています。
これまで、それらの種のうち日本由来のものが発見されたことはありませんでしたが、国際研究チームが九州と四国の11の洞窟を探索したところ、そのうち3つからコムシ目の標本を集めることに成功。それらは識別のためにスペインのアルカラ大学へと送られています。
New oversize troglobitic species of Campodeidae in Japan (Diplura)
すると驚くべきことに、そのうち2つが新種であったことが発覚。さらに、そのうちの1つは全長およそ10mmであり、コムシ目の中で最大の種であることが判明しました。その大きさの違いは他のナガコムシと比べると歴然であり、およそ2倍ものサイズを誇っていました。
そして、その大きさから付けられた名前は “Pacificampa daidarabotchi” 。もちろんこれは、古来から日本に伝わる伝説の巨人「ダイダラボッチ」が由来となっています。ダイダラボッチには数々の言い伝えが残されており、一説によると富士山を作るために近江の土を掘り、富士山と同時に琵琶湖を作り出したとされています。
この特殊なサイズを持ったこの新種の発見に、研究者たちも感激しているようです。発見されたのは、採石場が近くにある福岡県北九州市の「目白洞」。この発見で、“Pacificampa daidarabotchi” のために付近の環境が保護されることを研究者たちは望んでいます。
ダイダラボッチといえば『もののけ姫』にも登場しますが、東京の「代田橋」という地名は、その昔「ダイダラボッチ」が作ったのでダイダ橋と名前がついたという説もあるようです(「朝日新聞デジタル」より)。意外と各地に転がっているダイダラボッチ伝説。もしかしたら探しているうちに、また新種が見つかるかもしれません。
via: eurekalert / translated & text by なかしー