子どもたちの素朴な質問に答える「NHK冬休み子ども科学電話相談」の中で、人間と生き物の生存に関する面白い質問が寄せられていました。
今回は12月25日放送分より、その内容を紹介します。
人類絶滅後、最後まで生き残るのは?
質問者:人間が絶滅しても生き残る動物は、何ですか?
これはなんとも壮大な質問がきましたね。
太陽光による温度上昇で「10億年後には人間はいなくなっている」など、人間絶滅説は諸説ありますが、ではその後の世界に存在するのはどんな生物なのでしょうか?
ネット上では「絶対Gだ…」といった声も多く聞こえてきます。
ナゾロジー編集部の予想で上がったのは「クマムシ」。真空でも生きられる唯一の生物といわれ、長期の乾きや飢え、はては大量の放射線でも耐えられる「最強」との呼び声も高い生物です。
ということで本題に戻り、では専門家はどうみているのでしょうか。
質問に答えるのは、科学・物理を専門に研究している藤田貢崇(みつたか)先生です。
かなり困難な質問なだけにどう答えるのかと思ったら…藤田先生はまず「動物とは生き物全般という定義でいいですか」と問い直した後、なんともストレートに回答しました。
環境の変化などにより多くの生き物が絶滅したとして、最後まで残るのはおそらく細菌ではないでしょうか。
細菌…そうきましたか。確かにしぶとそうなヤツらです。
質問者:「さい…?」
まだ小学1年生の質問者さんはあまり分からない様子。先生、ちょっと難しすぎるのでは?
でもなぜ細菌なのでしょう。具体的に知りたい!
理由は、細菌ならば深い海の底や非常に高温や低温な場所など、いろいろな環境条件の中で生き残れるからです。また、酸素が少ないところでも生きていける細菌もいるので、それも生き残るのには有利に働くでしょう。
なるほど、条件を選ばずに生息できるのが細菌の強みなんですね。
一方で、ほかの専門の先生からはこんな答えもありました。
「昆虫は種類も多く体も小さく、何より寿命が短いので進化のサイクルが早いので、生き残るものもいるのではないでしょうか」(清水聡司先生)
なるほど、進化が早いというのも環境適応に欠かせない条件です。
人間の絶滅といっても、隕石の衝突だったり環境汚染だったり温暖化だったりと、多くの可能性が考えられます。そのため、なぜ絶滅したかの理由によって生き残る生物も変わってくるようです。
おそらく質問者さんは、身近な「動物園にいる生き物」のような答えを予想していたのでしょうね。では、もし生き残る「動物」に限定されていたら、答えは何だったのでしょうか。個人的な予想は「増殖力が最強」のマウスに1票です。
referenced: NHK / written & edited by Nazology staff