・オキシトシン受容体の遺伝子が結婚生活に影響することが判明
・オキシトシンは愛着などに関与して「ラブホルモン」とも呼ばれ、オキシトシン受容体は社会的行動に関与
・オキシトシン受容体の遺伝子が「TT型」である夫は妻のサポートを感謝しにくい
・しかしサポートに感謝してもらうことだけが幸せな結婚生活につながるとはかぎらない
毎日お互い感謝の言葉をもらえるような、幸せな結婚生活を送るにはどうすればよいのでしょうか?この誰もが抱く悩みを、ビンガムトン大学のマットソン氏も抱えていました。
そこでマットソン氏は、結婚生活に影響する遺伝子について研究を開始します。特に注目したのは「ラブホルモン」とも呼ばれるオキシトシンの受容体です。
https://theconversation.com/how-your-genes-could-affect-the-quality-of-your-marriage-109647
オキシトシンとは
オキシトシンとは脳で合成、分泌されるホルモンで、人と人の愛着にかかわることがわかっています。また
オキシトシンの受容体は、信用などの社会的行動にも関与しています。マットソン氏の紹介する投資ゲームを用いた論文では、投資家と受託者の信用度にオキシトシン受容体が関連していることを示しています。パートナーの社会的行動は結婚生活の質に大きく影響するため、オキシトシン受容体は結婚生活の質にも影響すると考えたのです。
また社会的認知に障害がある自閉症の治療にも、この研究結果が役立つ可能性があります。オキシトシン自体の自閉症への効果は明らかになっていませんが、マットソン氏の研究結果をもとにオキシトシンの受容体に関する研究が進めば、良い治療法がみつかるかもしれません。