レーザーを使って2種類の液体を分離するという、革新的な技術が発見されました。
これは例えば、ミルクティーを作ったあとで中からミルクだけを取り出すようなものであり、今までの熱力学の常識からすると考えにくいものです。このブレークスルーによって、将来的にはコンピューターやスマホ、薬、塗料、電球、太陽電池パネルなどが今よりもずっと簡単に、より安く生産する技術が確立されるでしょう。
https://www.nature.com/articles/s41557-018-0009-8
こういった製品では、そのテクノロジーを使うために結晶の生産が欠かせません。しかし今まで結晶化の過程を制御することは不可能であり、製造者たちにとって解決の難しい問題でした。
今回の研究では、クリティカルポイントと呼ばれるポイントにおける揺動をレーザーを使って抑え、対象となる系を位相が別れた状態へと導くことに成功しています。
この技術を設計し開発したクラース・ウィン教授は言います。「この研究は直感とかけ離れてるようですが、すべて物理法則の範囲内でおこっていることです」
研究を成功させたフィンレイ・ウォルトンによると、「この研究は、臨界揺動が結晶核形成において果たす役割を完全に理解するための第一歩です。我々の目標は製造しようとする結晶を含んだ核形成を完全にコントロールすることです」
以前の結晶製造の技術は物理化学的な要素を変化させることで、どの結晶多形を作るか―そもそも単結晶にするのか無定形物質とするのかをコントロールしてきましたが、その原理についてはよくわかっていませんでした。レーザーを使って結晶を誘導する方法も開発されていますが、原理がわかっていないため発展が抑えられていたのです。今回の発見はその理解の一助となるでしょう。
via: Independent/ translated & text by Nazology staff