3. 天使が人に恋をした『ベルリン・天使の詩』(1987)
永遠の命を持つ守護天使ダミエル。彼は、長い間、人々の苦しみの声を聞き、彼らを見守る役目を果たしてきました。そんな折、ダミエルは、サーカスのブランコ乗りであるマリオンに恋をしてしまいます。彼女を想うあまり、不老不死の天使をやめる覚悟をするのですが…。
この作品の見どころは、何と言っても、「天使の世界」と「人間の世界」」とのコントラストです。天使としてダミエルが見る世界は、白黒で平坦なもの。苦しみがない代わりに、喜びもありません。
しかし、人間として見る世界は、カラフルで起伏があり、喜びに満ち溢れています。血が出る自分に大喜びするダミエルは、天使のときとはうって変わって、子供っぽく人間的です。
喜びを知らないまま永遠に生きるか、それとも限られた時間の中で愛のある人生を謳歌するのか。私たちが、いかに色鮮やかで素晴らしい世界に住んでいるのか、ということに気づかせてくれる作品です。