4. 少年とヴァンパイアの小さな恋『ぼくのエリ〜200歳の少女』(2008)
12歳の少年オスカーは、いつも一人ぼっちで、クラスメートからは毎日、執拗ないじめを受けています。ある日、自宅アパートの隣部屋に、不思議な少女が引っ越してきます。真冬なのに、裸足でも全然平気で、薄着の半袖という格好。なんと彼女は、数百年も人の血を吸って生きてきたヴァンパイアだったのです。自分と同じ孤独な彼女に、オスカーは生まれて初めて恋心を抱くのですが…。
これは異質恋愛モノの中でも1番のオススメ作品です。居場所のない「いじめられっ子」と人間から追われる「吸血少女」、孤独と孤独が惹かれ合う小さな初恋は、涙なしでは観られません。ちなみに私は予告編のみで泣けます。
また、冷たく薄暗いスウェーデンの雪景色が、ダークな雰囲気を増長させて、2人の「ぼっち感」をより際立たせています。アパートの薄い壁ごしに、手でノックをする「モールス信号」を使って会話する場面が、とても切なく愛くるしい。
この作品は、『モールス』というタイトルでリメイクもされています。少しばかりショッキングなシーンもありますが、そんなことは気にせずとにかく観てほしい一作です!