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「出産楽しい」71年間、痛みも不安も感じなかった女性の遺伝子が解明される  (2/3)

2019.03.29 16:30:30 Friday

前ページ腕が焦げても、出産しても痛くない… 特に疑問を持たずに長年が経過

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FAAH遺伝子の抑制と機能損失により「アナンタミド」が通常の2倍に

分析の結果、2つの遺伝子変異が発覚しました。1つ目は、体内でアナンダミドと呼ばれる物質を分解する役割を持つFAAH(脂肪酸アミド加水分解酵素)遺伝子の働きが抑制されていたことです。

アナンタミドは、快感などに関係する脳内麻薬物質の1つとして働きます。アナンタミドの分解が適切に行われなければ、痛みや不安を和らげる働きが過度になります。

2つ目は、DNA情報が欠けた、つまり機能がほとんど損なわれたFAAH遺伝子の存在です。専門家は、この偽遺伝子をFAAH-OUTと名付けました。FAAH遺伝子の抑制は多くの無痛症患者に見られる特性ですが、FAAH遺伝子自体の機能が失われているケースは、キャメロンさんが初めてでした。

Credit: pixabay

これら2つの特性が独自に組み合わさった結果、キャメロンさんの体内では通常の人の2倍以上のアナンタミドが生産されていました。その結果、痛みや不安が減少する一方で、幸福感や忘れっぽさが増し、なんと傷の治りまでもが早くなっていたのです。

次ページ「警報装置」の過剰反応を抑える研究に新たなヒント

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