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SF映画の歴史を塗り替えた『ブレードランナー』のスゴさとは (3/4)

2019.05.04 Saturday

前ページ原作者ディックも納得の「未来世界像」

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主人公は人間?レプリカント?

さらに主人公であるリック・デッカードの謎めいた存在が、本作の中毒性を高めている。観客が一番感情移入できるはずのデッカード自体がミステリアスすぎるのだ。

「デッカード=レプリカント説」がその1つ。要するにデッカードが人間ではないかもしれないという説だ。

劇中にあらわれるデッカードの夢がその根拠となっている。彼は夢の中で「ユニコーン」の姿を見るのだが、それは彼しか知らないはずだ。しかし物語の最後、デッカードが家を去るとき、玄関先に誰かが置いたと思われる「ユニコーン」の折り紙が見える。

彼しか知らないはずの「ユニコーン」をなぜ第三者が知っているのだろうか。回答の1つとして、デッカード自身がレプリカントで、ユニコーンの夢は誰かに模造された記憶だったいうものだ。

ハリソン・フォード(左)とリドリー・スコット監督(右)/Credit:cinephiliabeyond

こう考えると原作のタイトル『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』とも奇妙にリンクしてくる。ただ監督のリドリー・スコットはこれについて何も明言しておらず、その甲斐もあって観客の妄想が底なしに膨らんでいくのだ。

ちなみに本作にはバージョンがいくつかあって、その違いで「ユニコーン」のシーンが入ってないのもあるので注意が必要だ。詳しくはこちらをご参照。

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