「人間とは何か?」
このような「人間とレプリカントの境界がもはや曖昧である」ということもテーマ的に重厚だ。
人混みの中に紛れているレプリカントは本物の人間と見分けがつかない。さらに追いかける側のデッカードすら人間であるかどうかわからないのだ。
レプリカントは金属ではなくバイオ工学で作られているので、肉体的には生身の人間と何ら変わらない。「何をもって人間と言えるのか?」この問いかけが本作からにじみ出ているように思われる。
本作のクライマックスは、デッカードとレプリカントの親玉ロイ・バッティの対決だ。ロイは圧倒的な強さでデッカードを追い込む。ところが彼はビルから落ちそうになったデッカードの手を取り命を救う。
おそらくロイは人間としてデッカードを救うことを選んだのだろう。
『ブレードランナー 』は今なお多くの映画人に影響を与え続けている。続編となる『ブレードランナー2049』も制作されており、舞台は本作の30年後だ。「レプリカントがまさか…するなんて」というビックリ展開も用意されている。
ぜひ合わせてチェックしてほしい。そして『ブレードランナー2079』も密かに期待しておこう。
reference: cinephiliabeyond / written by くらのすけ