■「過剰な責任感」を感じやすい人ほど、心配・強迫傾向が強まることが判明
■心配・強迫傾向は、意思的な行動であるにも関わらず、やめられないというのが大きな特徴
■今回の研究で、心配性と強迫傾向に共通する因子が見つかったため、新たな治療法が期待される
戸締りしたか気になってもう1度閉め直したり、書類の入れ忘れを心配して封筒を開けてしまう…
こんな風に「不安に駆られて同じ行動がやめられない!」といった経験、誰でも1度くらいはあるんじゃないでしょうか。ただこうした心配や強迫傾向が進行すると、それぞれ「全般性不安障害」および「強迫性障害」という精神疾患にまで深刻化してしまうんです。
そこで広島大学大学院総合科学研究科の杉浦義典准教授とセントラルフロリダ大学のブライアン・フィサク准教授の研究チームは、心配・強迫傾向の原因となっているものを調査しました。
その結果、「過剰な責任感」を感じやすい人ほど、心配・強迫傾向が強まりやすいことが判明したようなのです。研究の詳細は、4月4日付けで「International Journal of Cognitive Therapy」に掲載されています。
https://link.springer.com/article/10.1007/s41811-019-00041-x
「心配・強迫傾向」における2つのポイント
心配・強迫感情による行動は、やめようとして簡単にやめられるものではありません。その1番の特徴は「強迫行動は無意識なものではなく、自分の意思でやっている」ということです。例えば、恥ずかしさで赤面するのは自分ではどうしようもないですが、手を何度も洗ったりする行動はやめようと思えばやめられるはずですね。でもやめられないのが現実。
このように心配性および強迫傾向のメカニズムを知るための第1のポイントとして、「自分の意思でやっているのになぜやめられないのか?」ということが挙げられます。

それから双方が深刻化して発症する「全般性不安障害」と「強迫性障害」は、ともに別々の病気として認知されていて治療もかなり難しいものなんだそう。しかし別々の精神疾患でも相重なる部分があるので「共通の治療も可能なのでは?」と考えられています。もし心配性と強迫傾向の間に共通する要因が見つかれば、今後の治療法改善にも大いに役立つことが期待されます。
そこで第2のポイントは「心配性と強迫傾向に共通のメカニズムはあるのか?」ということです。


























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