ハッブル宇宙望遠鏡が暴く「砂時計」の謎
南のかに星雲の初観測は、1967年に遡る。当時、天文学者たちはそれをごく普通の星だと考えていた。
ところが、1989年にさらに詳しい映像が撮影されると、それまで考えられてきたよりもずっと複雑かつ特徴的な砂時計の形をしていることが判明した。
それから10年近くが経った1998年、ハッブル宇宙望遠鏡が、この星雲が持つ複雑な構造の全貌を映し出した。内部のフィラメント状の構造から、砂時計の形をもたらす原因となった現象が、これまでに2回起きたことが示されたのだ。
さらに10年の歳月を経て、再びハッブル宇宙望遠鏡が捕えたのが今回の映像だ。最新映像からは、南のかに星雲がどのようにして進化を続けているかを知ることができる。これはもちろん、肉眼ではとても目にすることのできず、ハッブル宇宙望遠鏡があるからこそ見られるものだ。