後任者へのバトンタッチは2020年を予定
NASAとESAの共同開発によって完成したハッブル宇宙望遠鏡が、スペースシャトル ディスカバリー号によって打ち上げられたのは、1990年4月24日のことだった。
以後28年の間に、ハッブル宇宙望遠鏡が撮影した天体の数は43,500個以上。観測件数としては、150万件を上回る。地球の周囲を16万3,500回以上回転したのだから、地球から冥王星までの距離を超える長旅を続けてきたことになる。
ハッブル宇宙望遠鏡の状態は現在も良好で、2020年いっぱいは任務を続行する予定とのこと。その後任は、2020年5月に打ち上げ予定のジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡が引き継ぐ見込みだ。
ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡は、宇宙誕生の秘密を解明する「タイムマシーン」と呼ばれている。135億年以上前の初期宇宙で起きた最初の銀河の誕生を調べ、太陽系内外の惑星や衛星を生んだ源を観測することができるからだ。打ち上げが成功すれば、ビッグバン以降の2億年間の宇宙を観測できる規模とパワーの両方において世界No.1の宇宙望遠鏡となる。
29歳の誕生日を迎えるにあたり、ハッブル宇宙望遠鏡が捉えた大きな大きな砂時計…。さらさらと落ちる砂がその旅路の長さを象徴しているようだ。