■太陽の直径は月の約400倍もあるにもかかわらず、地球からみて太陽と月はほとんど同じサイズにみえる
■これは、地球からみて太陽が月よりも約400倍離れた距離に存在しているということを意味している
■宇宙にあるすべての惑星と衛星の関係が分かるまで、これを「奇跡」と呼べるのかは誰にも分からない
いつから同じサイズだと錯覚していた…?
ときに私たちの生活を彩る素敵なイベント、月食や日食。しかし、そこには大きなミラクルが潜んでいるかもしれないのだ。
「同じサイズ」というミラクル
そう、地球からみて太陽と月はほとんど「同じサイズ」だ。だからこそ月食や日食の際に、あんなにもピッタリ両者が重なることが可能となる。
だからといって、もちろん太陽と月が同じ大きさを持った天体というわけではない。太陽の直径は月のおよそ400倍もある。にもかかわらず、地球から同じサイズにみえるということは、太陽は月よりも400倍離れた距離にあることになる。
地球という星に生を受けた私たちにとって、この事実はとんでもない奇跡のように感じるかもしれない。今すぐ諸手を挙げて「ミラクル!」と叫びたいところだが、ちょっと待とう。
というのも宇宙にどれほどの惑星と、その周囲を公転する衛星が存在しているのか誰にも分かっていないからだ。
NASAのジェット推進研究所に勤務する数理天文学者、マイルス・スタンディッシュ氏は、少なくとも地球の近くにある他の惑星と衛星の間にこのようなことは起こっていないと語る。
しかし、それはあくまでも「私たち」の太陽系の話であって、まだみつかっていない太陽系は他にも山ほどあるだろう。つまり、太陽と衛星が同じ大きさになる確率などやはり誰にも分からないのだ。