Point
■ブラックホール付近にある「フォトン・スフィア」では、適切な速度で移動する光はブラックホールを軌道する
■事象の地平線に到達した物体は、外から見ると静止しているように見える
■ブラックホールに吸い込まれた人は、縦に伸び、横に縮んで、スパゲッティ化する
1. 光が吸収されない神スポットでは後頭部が自分で見えちゃう
とんでもない強さの重力を持つブラックホール。その側を通過する物体は一瞬でその中に吸収されてしまう。光だって例外じゃない。
でも実は、光が吸収されない神スポットが、ブラックホール付近には存在する。これが「フォトン・スフィア」だ。
ただし、このスポットを通過する光は、ブラックホールの重力に捉えられるだけのゆっくりしたスピード、かつブラックホールの中に引っ張られないほどの速いスピードで移動しなければならない。絶妙のスピードでフォトン・スフィアに到達した光だけが、ブラックホールに吸い込まれることなく、その周囲を軌道しはじめるのだ。
これがそのイメージ動画だ。
仮に、フォトン・スフィアにいる人が、頭を横に向けてブラックホールから目をそむけたとしよう。後頭部に当たった光がブラックホールを一周して戻ってくるので、その人は自分で自分の後頭部を目にすることになる。
体験したいようなしたくないような…。