Point
■横浜の独立行政法人海洋研究開発機構の研究者らが月誕生時の新しいシミュレーションモデルを研究発表した
■従来の巨大隕石の衝突説では説明のつかない、月の組成に地球の成分が多い理由、隕石衝突の痕跡がない理由を解明した
■月は溶解したマグマの海であった地球に隕石が衝突することで誕生した
これ「ファースト・インパクト」では?
独立行政法人海洋研究開発機構の研究者らが、巨大な隕石がぶつかった衝撃により月が生まれたという「巨大衝突説(ジャイアント・インパクト説)」を裏付ける説を発表した。
研究は4月29日付けで「Nature Geoscience」に掲載されている。
https://www.nature.com/articles/s41561-019-0354-2#author-information
もっとも身近な宇宙のミステリー 月はどのようにして生まれたのか?
地球から約38万km離れた軌道を回る月は、私たちにとってもっとも近い天体であり、その引力は海水だけでなく、私たちの宇宙へのロマンも惹きつけ続けている。
しかしその誕生の経緯については、未だ謎が多い。
月の誕生については、「親子分裂説」「捕獲説」「双子説」などの仮説が唱えられてきたが、数式を用いたシミュレーションや地球上の痕跡、アポロ計画により持ち帰られた岩石の解析により否定された。
現在もっとも有力とされる仮説は、巨大な隕石がぶつかった衝撃により月が生まれたという「巨大衝突説(ジャイアント・インパクト説)」だ。
アニメ『新世紀エヴァンゲリオン』の中で語られるファースト・インパクトはこの月が生まれた巨大衝突のことを指しているそうだが、実際はこの仮説についても多くの疑問が残されている。
しかし今回発表されたのは、この巨大衝突説を裏付ける説なのだ。