もっとも有力な月誕生仮説「巨大衝突説」
巨大衝突説は火星サイズの巨大隕石Theia(ティア)が原初の地球に衝突し、そのとき巻き上げられた材料によって月が生まれたという説だ。ちなみにTheiaとはギリシャ神話で月の女神セレーネの母親の名前である。
この仮説は現在もっとも有力な説とされているが、完全には説明しきれていない問題も含まれている。
このシナリオに従うと月の60%以上はTheiaが材料となっているはずだと言われている。しかし、実際の月の組成は予想よりも遥かに多くの地球由来の成分を含んでいる。また、そんな巨大な隕石が地球へ衝突した痕跡も地球には残っていない。