驚くべき診断ノートの全貌
フォアマンが残したノートは1596〜1603年の間に記録されたものとのこと。およそ8万件の診断内容が殴り書きされており、オンラインでは日付や占星術師、患者の症状別で検索することができる。
中にはフォアマンの非道徳的な人格をうかがわせる記述も見受けられる。彼は異常なナルシストであったらしく、気に入った患者をしょっちゅう口説いたりしていたようだ。
彼の診断方法はチャート式の占星術がメインとなっていた。まず患者に名前や年齢、住所、結婚の有無など12の質問をして占星術を行う。その結果に合わせて、医療措置を様々に変えていたようだ。
血を抜き出す瀉血方法はかなり多用されており、タバコを用いる誤ったハーブ治療も行なわれていた。
彼の治療法は過激さを増し、死人の頭蓋骨を粉末状にした薬を患者に飲ませていたという記録も残されている。さらに障害のある患者には、「2羽の鳩の腹を切り裂いて両足に履くと治る」というオカルト治療を推奨していた。
また処方箋の多くは明らかに有害なもので、水銀を含む危険なものまで記録として見つかっている。
フォアマンはその後、医師免許を剥奪され刑務所に収容され、1611年に死亡した。
現在残されたノートはエリザベス時代の貴重な記録文書として研究が進められている。
フォアマンは他に、シェイクスピアの上演を生鑑賞した記録を残しているという功績で知られているが、それも他人の剽窃という話が濃厚だという。どうもこの人の病理は根深いらしい。