野生の大麻にTHCが多く含まれているのはなぜ?
今回見つかった大麻が野生のものなのか、それとも当時の人たちが人工的に育てていたのかはわかっていない。
確かに中央アジアにある水分の豊富な場所では大麻が育っているが、こうした野生の大麻に含まれるTHCの量は幻覚作用を引き起こすほど多くはないという。
ところが墓地にあったTHCは向精神効果をもたらすのに十分な量に達していた。しかし2500年も前の人々が合成大麻を作る技術を持っていたとは考えにくい。
チームの仮説としては、高度の高い場所に生えていた大麻が、紫外線の照射によってTHC成分を活発に作り始めたということである。そして山を散策していた現地民がTHCの豊富な大麻を発見した可能性が高いと指摘している。
しかし古代の大麻が現代のものと比較してどれほどの中毒性や副作用があったのかは分からない。ただ宗教的な解脱感と思い込むほどハイな状態に達していたことは確かのようだ。