原初の宇宙の様子を伝える低金属星
低金属星はその名の通り、金属が欠乏した星だ。こうした星は、元素合成があまり進んでいない初期の宇宙で誕生したと考えられている。宇宙では後期高齢者の星だ。
低金属星の中には一回の超新星の影響だけをそのまま受けて誕生しているものもあると考えられているくらいだ。
中性子星同士の衝突などは、かなり時代が進んでいないと起こらないと考えられるので、こうした初期宇宙に生まれた低金属星では当然重元素は見つからないものと考えられる。
ところが、低金属星の中には鉄などがほとんどないのに、重元素の方が大量に見つかるというパターンが存在している。
こうなってくると、r過程は一体どこで起こっているのか、さっぱりわけがわからなくなってしまう。