宇宙の錬金釜
結局r過程はどこでおきているのだろうか? その疑問に一筋の光をもたらしたのが今回の研究だ。
報告によると、r過程は星崩壊時に発生した降着円盤で起きているのではないかという。
降着円盤とは、星が崩壊して出来たブラックホールや中性子星、白色矮星の周りにガスや塵などが巻き込まれて形成される平べったい天体だ。
降着円盤は、これ自体が生成の条件や性質について研究の対象にされるくらい謎の多い天体なのだが、星崩壊時の降着円盤によって宇宙に観測される重元素を十分説明可能なシミュレーションができたというのだ。
どうやらこれが、長い年月人類が追い求めた金を錬成する真実のようだ。
この現象は非常に稀なもので、中性子星の合体よりも発生頻度は低いようだ。しかし、一度に生成される元素の量は中性子星合体よりずっと多く、その生成量で頻度の低さをカバーできるという。
研究者たちは、宇宙の重元素の80%以上がこの現象により作られた可能性があると考えている。
難解な用語が多すぎてわけがわからなくなってくるが、こんな面倒で未知の現象が起きないと金やプラチナなどの重い元素が生まれないとわかると、とりあえずそれが高いことには納得できそうだ。
もし恋人に高い金のアクセサリーを買うときがあったら、ここで聞いた話をすっごい早口で説明して金の魅力を教えてあげよう。