生命の光か?
チームはモデルを用いて、天の川銀河の中心部に位置する「いて座A*(いてざエー・スター)」を調べてみた。いて座A*には超大質量のブラックホールが存在しており、AGNと同じように強力な放射線を放出している。
これまでその光は周囲半径3200光年以内をデッドゾーンにすると考えられてきたが、モデル調査によると実際は半径100光年以内に止まると結論づけられた。ちなみに天の川銀河の半径はおよそ53000光年である。
さらにAGN放射線を調べてみたところ、危険区域になければ惑星の大気は無傷のままとなると指摘。というよりもむしろ、AGN放射線が大気中の分子を分解することで、タンパク質、脂質、DNAといった生命のベースとなる化合物を生成するきっかけともなるというのである。
それだけでなく植物の光合成も助長する機能も考えられ、これは近くに太陽のような光源となる星がない惑星にとっては大いに重要な光となる。
いて座A*は地球からおよそ2万6千光年と遠く隔たっているため詳細な周辺状況は分からない。もしかしたらハビタブルな惑星がすでにいくつも存在しているかもしれない。