抗生物質耐性菌を倒すバクテリオファージを探せ
こうした研究は、バクテリオファージの感染可能な細菌の範囲を理解するために重要だという。
様々な種類の複雑な微生物生態系で、細菌に感染可能なファージを見つけ出し、特性を明らかにしていけば、抗生物質耐性菌の治療に利用可能なバクテリオファージを見つけ出せるかもしれない。
細菌は様々な場所に潜んではいるが、本来なら似たような種類が集まる。しかしまったく環境の異なる微生物生態系を用意することは簡単なことではない。
強力な細菌に対して有効な対策を見つけるための研究では、人工的にバクテリアの「ファイトクラブ」と呼ぶべき場所を作り出し、そこで育った細菌を分析する方法が効果的と指摘している研究もある。

それが、キッチンスポンジというありふれた物を利用することで可能になるというのは、面白い発見だ。
この研究は、現在はまだ学部生による研究に過ぎず、学会でもポスターセッションによる発表しか行われていないが、多くのメディアから注目を集めており、ニューヨークの研究助成金対象にもされているという。
抗生物質の代わりに、台所用スポンジから見つかったバクテリオファージを飲み込む日も近いかもしれない。
https://nazology.kusuguru.co.jp/archives/37726