Point
■月面に、これまでの予測をはるかに上回る量の氷が存在する可能性が浮上
■水星の常に影の部分にあるクレーターが、緯度が高くなるほど浅くなることから、氷の存在が示唆された
■月面の南極近くのクレーターに類似した形態的傾向が見られることから、水星と同様に分厚い氷堆積物の存在が示唆された
月面に、これまでの予測をはるかに上回る量の氷が存在する可能性が浮上しました。
研究を行ったのは、カリフォルニア大学の研究チーム。水星と月のクレーターの類似性に着目したことで導いた説を、雑誌「Nature Geoscience」に収めた論文の中で展開しています。
https://www.nature.com/articles/s41561-019-0405-8
水星のクレーターと比べてみたら…
過去、水星にも氷が存在することが、アレシボ天文台とNASAの探査機メッセンジャーのデータから明らかになっていました。
研究チームは今回研究の一環として、水星に存在する2,000個のクレーターの深さと直径の比率を水星レーザ高度計のデータを用いて調査。
その結果、常に影の部分にあるクレーターは、緯度が高くなるほど浅くなることが判明しました。これは、氷の存在を示唆するものです。
2009年には、NASAの無人探査機エルクロスが、分離した衝突体を月の南極近くのクレーターに衝突させ、その様子を撮影。その観測結果から、NASAは月にまとまった量の水や氷がその他の物質と混じって存在することを発表しました。