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小惑星リュウグウの解析画像から、惑星形成の謎に迫る新たな手がかり (2/2)

2019.08.24 Saturday

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2種類の岩石

タッチダウン直前の撮影画像/Credit:JAXA、千葉工大、東京大、高知大、立教大、名古屋大、明治大、会津大、産総研

リュウグウの表面近くで撮影された写真を解析したところ、リュウグウには2種類の異なる岩石の存在が確認されました

1つはカリフラワー状のもろく黒っぽい粗い岩で、もう一つは白っぽく滑らかな表面の岩です。

こうした異なる見た目の岩の存在は、リュウグウが2つの天体の衝突から生まれた可能性を示しています。

考えられる仮設は、リュウグウが2つの異なる天体の衝突後、それらが重力で再結合されたか、または衝突の結果生じた高温と高圧により異なる2つの岩(物質)が生成されたという可能性です。

なんにせよ、非常に激しい過程の末の生成物がリュウグウであると考えられます。

また、画像からは、岩に多くの赤や青の小さな含有物が確認できました。これは地球上で発見される「炭素質コンドライト」と特徴が非常によく似ているそうです。

オーストラリアで発見された炭素質コンドライトのマーチソン隕石/Credit:S. Kawakami./岐阜大学教育学部理科教育講座(地学)

これは非常に原始的な物質であると考えられていて、原始太陽系を取り巻き、惑星の材料となった塵やガスに含まれた物質の可能性が高いとのこと。

小惑星は、初期の太陽系で惑星の材料とはならずに現代まで取り残された物質と考えられています。

こうしたリュウグウの岩石は、未だに詳しい状況が不明な惑星形成時の初期の様子を知るための重要な手がかりとなるのです。

現在はまだ、リュウグウの表面撮影映像や、温度測定などの情報を元に推測した研究報告にとどまっており、はやぶさ2が採取したサンプルを地球へ届けるのは、2020年の予定となっています。

リュウグウから採取したサンプルの分析が行われれば、謎の多い惑星形成初期の1000万年から1億年ほどの期間について理解が進むことが期待されています。

すべてが科学者の想定外! 解析に3年を要した観測史上最大の超新星爆発

reference:JAXA,phys/ written by KAIN

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