鍵は「自分自身が相手の意見を気に掛けているか?」
目標を誰かと共有すると一口に言っても、相手の意見を本人が気に掛けないかぎり、目標を何が何でも叶えたいという欲求には影響しません。この欲求こそが、目標達成の鍵を握っています。
3つ目の調査は、被験者に「自分がアシスタントにどう思われるかをどの程度気にするか?」を尋ねるもので、気にする度合いが強い被験者ほど、目標を達成しやすいことが分かりました。加えて、アシスタントの立場が自分より上だと考えた場合、相手に与える印象を被験者がより強く気にすることも明らかになりました。
ただし、クライン氏は、誰かを感心させようとするあまり過度な不安が生じると、反対にパフォーマンスの妨げになる恐れもあると指摘しています。
最後に行われた調査は、大学生292名を学期全体を通じて追跡するものでした。被験者は、学期の最初に難易度の高い成績の目標を設定し、それを周囲と共有しました。
他の調査と同じく、自らが立てた目標を自分よりも立場が上の相手に伝えた被験者は、立場が低い相手に伝えた被験者と比べて、目標達成に向けてより多く努力し、かつ目標にしていた成績を達成する傾向も強いことが示されました。
「目標を周囲に話すべきでない」という説が一時流行しましたが、クライン氏はこれに真っ向から反対する結果を導き出しました。
仕事上の目標の場合、まず思いつく相手は上司かもしれませんが、転職を目指す場合には上司に知らせるというわけにはなかなか行きませんよね。その場合は、日頃から尊敬し、頼りにしている助言者にあなたの目標を共有するのが良さそうです。「あなた自身がその人の意見を重視している」ということこそが重要です。
あなたは誰に自分の目標をシェアしますか?