アフリカを南北に貫く巨大な溝「大地溝帯」。アフリカ北部の「アフリカプレート」は活動の早さが異なることから、いずれアフリカ大陸を2つに分断するだろうといわれてきました。
そして最近、この大地溝帯の上で幹線道路に突然数キロメートルの大きな亀裂が入り、ついにアフリカ大陸が分断されることが現実味を帯びてきたと話題になっています。
A crack that opened up in Kenya’s Rift Valley, damaging a section of the Narok-Nairobi highway, is still growing… pic.twitter.com/T5YocDauYj
— BBC (@BBC) 2018年3月26日
事件が起きたのは3月13日、ケニアの大地溝帯です。裂け目は南西にあるススワ火山に向かって数キロ、深さはおよそ6メートルに及ぶ場所もあり、現在も広がり続けています。
この事件によってNairobi Narokハイウェイの一部が陥没、牛などの動物が裂け目にはまって死んでしまう事態も発生。付近に住む数家族は、家からの避難を余儀なくされています。
亀裂の原因はまだ定かではありませんが、大雨と地震活動によるもの、そして大地溝帯の活動が関係しているといわれています。
なぜ亀裂が入ったの?大地溝帯とプレートテクトニクス
大地溝帯は、アデン湾からジンバブエの北まで3000km以上続く大きな谷です。北エチオピアのアファル地方で、3000万年前からでき始めたと考えられています。
プレートテクトニクスという言葉を聞いたことがあると思います。
地球の表面はリソスフィアと呼ばれる地殻で覆われていますが、このリソスフィアは、幾つかのプレートに分かれてそれぞれがゆっくりですが、動いています。地震や火山活動などの災害は、このプレートの境界で起きるのです。その動力は議論の対象とされていますが、マントルの対流や、プレートの境界で生じる力であると考えられています。
この力がプレートの内部を広げる方向に働くと、プレート内部に亀裂を発生させます。大地溝帯はアフリカプレートからソマリアプレートを分断して、大きな島を作ろうとしているのです。
プレートテクトニクスによって分断された大陸の例が、大西洋を囲むアフリカ大陸と南アフリカ大陸です。元々一つの大陸だったものが、1億3800万年に別れました。両大陸の海岸線がパズルのピースのようにピッタリ合うのはこのためです。裂け目では溶けたマントルが吹き上がり、海嶺を作っています。大地溝帯も将来的には海に沈んで海嶺になると考えられています。
東の大地溝帯は長いので、各地で裂け目のできる過程の様々な段階を観察することが出来ます。南部の谷はまだ若く、広がるスピードはゆっくりで、広い範囲で多くの断層が見つかります。火山活動や地震も限られています。一方アファル地方では、谷の底には火山性の岩石で埋め尽くされています。火山活動で地殻の隙間からマグマが吹き出した証拠です。最終的には数千万年後に、大地溝帯が完全に広がって海になるでしょう。アフリカ大陸は小さくなり、エチオピアやソマリア、アフリカの角を含む大きな島がインド洋に出来ます。
道路の亀裂や、地震などの破壊的な現象があると緊急性を感じるかもしれませんが、アフリカ大陸の分断の場合、誰も気づかないほどのスピードで進むでしょう。
So this will happen in the next 50M yrs. Can’t wait pic.twitter.com/g2uogxK9or
— K!M ??™ (@Nel_kimz) 2018年3月20日
遠い未来、気付いたらアフリカがこのような地形に変わっているかもしれません。