
- 看護師であるドナルド・ハーヴェイは、薬物を使って患者を37人殺害した
- シアン化合物を嗅ぎ分けられる検査官によってハーヴェイの殺人が明らかに
1987年4月6日、看護師のドナルド・ハーヴェイという人物が、殺人事件の容疑で逮捕されました。
彼には37名の殺人に対する有罪判決が下されましたが、実際には17年間にわたって50人もの人を殺したとも告白しています。
彼がここまで多くの人間を殺せた理由に、「看護師」という立ち場を利用したことが挙げられるでしょう。
この長きに渡る犯行はしかし、1人の特殊な能力を持った医学検査官がきっかけで終結します。
彼にはシアン化合物を嗅ぎ分ける遺伝的能力があったため、殺人に用いられたシアン化合物を見分けることができたのです。
「死の天使」と呼ばれる連続殺人鬼

ドナルド・ハーヴェイは看護師という立場を利用して、患者たちにヒ素やシアン化合物、インスリンなどを注入して殺害するようになりました。
彼が長年にわたり逮捕されなかったのには理由があります。治療のために用いる薬物を用いることで、死亡原因の特定を難しくしていたのです。
特にインスリンによる殺人の証明は難しいとされています。一般的なインスリン測定は、致命的なインスリン投与量を証明するほど感度が高くありません。加えて、死後すぐに採血しないなら、体内のインスリンは消滅してしまい、証拠すら残らないのです。