月基地建設も夢じゃない?
この技術は単に酸素を作り出すだけではありません。本来の目的が金属精錬であったように、酸素を作る過程で合金を取り出すこともできます。
研究者によると、ここで作り出される合金は3Dプリンタの原料として利用できる可能性があるとのこと。
この技術が完成すれば、月面で建築資材と酸素の両方を確保しつつ基地を建設し生活する…なんてことも実現できるかもしれません。なんとも夢のある技術です。
ただ、現在の実験で使用しているのはあくまでレゴリスの模造品であり、月のレゴリスは採取される地域によっても成分が変わってくるため、どういった種類の合金が採取可能で、どのように利用可能かという部分はまだ未検討の問題です。
また、現在は酸素を作り出す段階までしか実験されておらず、酸素を貯蔵するシステムなども設計されていません。
しかし、現在開発に乗り出している欧州宇宙機関(ESA)は、この装置の技術的な実証実験は2020年半ばで完了させ、月で持続的に運用可能な「パイロットプラント」の設計を行う予定だと話しています。
意外に早い展開に驚きますが、近い将来、月面に築かれた基地を見れるかもしれません。人類が宇宙で持続的に活動可能な時代は、徐々に近づいているようです。