5.カザフスタン・眠り村
中央アジアのカザフスタンにあるカラチ村では、2013年以来、奇妙な現象が相次いで報告されました。
村民たちが、次々と謎の睡魔に襲われ、時間や場所を問わず急に眠りに落ちてしまうのです。この眠り病は、老若男女に関係なく誰でも発症し、長い時で1週間も睡眠状態が続きました。
その影響は、村にいるペットにまで及んだそうです。犬や猫が奇妙な行動を取ってから、眠りにつくことが報告されています。
恐ろしいのは睡魔に対して抵抗できないことです。会話中でも、散歩中でも、雑用や仕事、さらに自転車に乗っている時でさえ、眠り病にかかることがありました。
また、眠りから覚めた人には、共通して、睡魔に襲われる前の記憶が飛んでいたようです。
怪奇現象の真相は、科学者の調査によって解き明かされました。なんと村の近くにあったウラン鉱山が原因だったのです。
調査の結果、鉱山から高濃度の一酸化炭素が漏れ出て、村に侵入し、空気中の酸素レベルを低下させていることが判明しました。それにより、村人たちは睡魔に襲われていたのです。
真相が発覚した2015年に、住民の大半が村を去りましたが、まだ半数近くは村に残り、移転を拒んでいます。ウラン鉱山は、その後、閉鎖されているとのことです。