ホッピングと似た物理
この竹の棒による運搬プロセスと似た物理作用を利用しているのが、ホッピング玩具です。
ホッピング玩具は、バネの弾性と体重を利用して上方向のエネルギーを生み出し、それを高いジャンプや前方向へのジャンプに応用しています。
同じように、ベトナム村人の運搬法は、竹の棒の弾性と荷物の重さを利用して上方向のエネルギーを生み出し、それを歩行と運搬に応用しているのです。
しかし、この方法は誰でもすぐにできるわけではありません。ホッピング玩具で前進するのにコツがあるように、竹の棒による運搬にもコツが必要なのです。
実験によると、村人たちが竹の棒の振動に合わせて歩行を調整している姿が観察できました。竹のしなりによる「荷物の上方運動」と、歩行者の地面を蹴る(前進)タイミングを上手く合わせていたのです。
農村地域の近代化により、他の運搬手段(バイク、車両)が一般的になっていますが、車両の入ることができない地域では、竹の棒はまだまだ活躍しているようです。