分子サイズの異なるポリマーは泡を強くする
ポリマーとは、複数の分子が鎖のように構成された化合物のことです。
一般的には、食品の添加物と知られているグアーガム、医薬品等で使用されている潤滑剤、工業用ポリエチレングリコール(PEO)などが知られています。
ポリマーの長い繊維同士が互いに絡み合うことで毛玉のようになり、分解しづらくさせていたのです。
ポリマーが適切に組み合わされるなら、石鹸膜は粘性と伸縮性を合わせ持つようになり、大きなシャボン玉でも壊れなくなります。
また、研究者たちは、ポリマーの分子サイズを変えることでシャボン玉をさらに強化する方法を発見しました。
この発見は偶然起こりました。
研究者たちは1年以上かけてこの研究に取り組んでいたため、当初購入したPEOは古くなっていました。
6か月経った古いPEOを使用すると、不思議なことに、新しいPEOよりも強くて大きなシャボン玉が形成されたのです。
古いPEOを調査した結果、このポリマーは時間とともに劣化して分子鎖の長さが変化していました。
劣化によってサイズがバラバラになったポリマーは、すべてが同じ長さのポリマーよりも絡み合いやすく、シャボン玉をより強化するのです。
バートン氏は、ポリマーが泡を強くする秘密について「それは基本的な物理学の発見です」と述べています。
このような流体力学は、泡の形成と分解から飛行機の空力に至るまで、地球上のいたるところで見出せます。
新たな発見を応用していくなら、産業パイプを通るオイルの流れを改善したり、川の泡沫汚染などを改善できたりするでしょう。