- シャボン玉を大きく作るためには「ポリマー」が必要
- ポリマーの長い分子の鎖が互いに絡み合うことによって、シャボン玉の膜は強くなる
- 分子サイズが異なるポリマーはより絡み合いやすく、泡を強力にする
虹色に輝くシャボン玉には誰もが心をくすぐられるものです。
シャボン玉の虹色効果は、膜の厚さがほんの数マイクロメートルに匹敵することを表わしています。
それほど薄いシャボン玉でも、自動車を包み込むほどの大きさを維持できるのはどうしてでしょうか?
米国エモリー大学の物理学准教授ジャスティン・バートン氏らの研究チームは、シャボン玉を巨大にできる秘密を解明。異なる分子サイズのポリマーが混合されることにより、シャボン玉は強度を増すことが分かったのです。
この発見は、流体力学上の様々な分野への応用が期待されています。
研究の詳細は、1月29日「Physical Review Fluids」誌に掲載されました。
How to make a giant bubble
https://journals.aps.org/prfluids/abstract/10.1103/PhysRevFluids.5.013304
巨大シャボン玉の秘密を探る
研究チームが見つけた最高のシャボン玉は、潤滑油などに含まれるポリマーと水と石鹸の混合液によってつくられたものでした。
研究者たちはこれらの素材がどうしてシャボン玉の強度を増すのか解明するために、シャボン玉の作成と破裂に関して、プロセスの速度と力学を記録しました。
また、シャボン玉レシピのポリマー分子量を調べたり、シャボン玉液が地面に垂れるときに作る糸の長さを測定したりして強度の秘密を分析しました。
これらの測定の結果、巨大なシャボン玉になる秘密は「ポリマー」であることが判明したのです。