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「水無脳症(hydranencephaly)」の胎児の画像/ Credit: en.wikipedia
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脳の大部分が欠損して生まれた女性が20歳に、医学的予想を覆す

2025.11.14 12:00:29 Friday

米ネブラスカ州に住む女性、アレックス・シンプソン(Alex Simpson)さんは、生まれつき脳の大部分が存在しない「水無脳症(hydranencephaly)」という極めてまれな病気を持ってこの世に誕生しました。

医師たちからは「1歳の誕生日を迎えることも難しいだろう」と宣告されていましたが、彼女は11月4日、家族や周囲の祝福の中で20歳の誕生日を迎えました。

通常、人間の脳は2つの大脳半球が大きな割合を占め、認知や感覚、運動、思考、感情といった多様な働きを司っています。

しかし水無脳症では、この「大脳半球」がほとんど存在せず、頭蓋内の大部分が脳脊髄液で満たされているという状態です。

Woman Born Missing Most of Her Brain Just Turned 20, Defying Odds https://www.sciencealert.com/women-born-missing-most-of-her-brain-just-turned-20-defying-odds

「脳の大部分がない」状態で出生

アレックスさんの診断がついたのは、生後2カ月を過ぎたころでした。

出生時は頭の大きさや反射に異常がなく、一見「普通の赤ちゃん」に見えたため、医師もすぐには異常に気づきませんでした。

しかし、成長とともに徐々に不機嫌さや筋肉のこわばり、けいれん発作などの症状が現れ、精密検査によって水無症であることが判明しました。

この病気では大脳半球がほとんど存在しませんが、脳幹や小脳の一部、基底核といった脳の生命維持に必要な「最小限の部分」は残っています。

アレックスさんの場合、後頭部にわずかに「小指の先ほど」の小脳しか残っていないといいますが、この小脳や脳幹が周囲の音や気配を感じ取り、最低限の意識を維持しているのです。

家族によると、アレックスさんは両親や弟の存在を感じ取り、「周りで良いことや悪いことが起きている」ことをなんとなく察することができるそうです。

また、脳幹や基底核が無事なため、呼吸や心拍といった生命維持機能は保たれています。

視覚や聴覚には重い障害があるものの、周囲とのつながりや家族とのコミュニケーションが完全に途絶えているわけではありません。

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