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犬とは真逆。飼い犬から野生に戻ったディンゴは遺伝子までオオカミ化していた (2/2)

2020.02.13 Thursday

前ページディンゴの祖先は8300年前にインドネシアの村で飼われていた犬

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野生化によって得たもの、失ったもの

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ディンゴの群れ。ディンゴは群れることで、ライバル関係にあった有袋類のフクロオオカミより生存競争で有利になった。/Credit:depositphotos

研究によって、ディンゴはオオカミ化する過程で「デンプン消化能力」「味覚」「神経伝達」にかかわる複数の遺伝子を変化させていることもわかりました

もともとイエイヌは人間の残した穀物の残飯を食べるため、高いデンプンの消化能力を獲得しました。しかしディンゴは野生化する過程で、デンプンを消化するアミラーゼの能力を失い、肉食に戻っています。

ディンゴの味覚遺伝子についても、野生環境に適応するため、美味しいと思えるエサが別物になったようです。

さらに記憶力や空間認知能力を促進する遺伝子の発現活性が大きく低下しており、知能そのものも野生化しているようでした。

これらの変化の結果、ディンゴの遺伝子はイエイヌより灰色オオカミに類似点を多く持つようになり、先祖返りしたのです。

ですが現在、人間によって持ち込まれたイエイヌとディンゴの交配が起き、純粋なディンゴの存在が危機に瀕しています。

オオカミを家畜化したイエイヌが野生化してディンゴとなり、さらに人間の都合でイエイヌとの再度の交配でまた家畜化する…。

もしかするとディンゴは人間と関わってしまったせいで、無限ループにはまってしまったのかもしれません。

ヒトと交流するために進化? オオカミにはないイヌの表情

reference: phys / written by ナゾロジー編集部

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