惑星殺しの小惑星をそらす
2007年に提出されたNASAのレポートでは、小惑星軌道をそらすもっとも効果的な方法は、核爆弾による破壊である、と結論づけています。
確かに、この核による爆発力は小惑星を吹き飛ばす力があるでしょう。
ただ、今回の研究では、その後の地球は核の放射性降下物に悩まされることになる可能性を指摘しています。
また、核爆発後の小惑星の挙動についても正確な点は不明であり、この選択は政治的懸念が障害になるだろうといいます。
2番めに最良の方法は、「インパクター(衝突装置)」を用いることです。これは宇宙船やロケットといった発射体を、適切な速度と方向で小惑星にぶつけ、計画的に小惑星のコースを変更させるものです。
要はビリヤードのようなものだと、研究者は説明しています。
しかし、この作戦でネックになるのは、小惑星の質量、運動量、軌道、表面組成などの特性について正確な情報が必要になる点だと言います。
こうした情報の一部が欠けていれば、ミッションの成功には不確実性が伴うことになります。
ミッションの成功率は、対応を選択する上での重要な指標です。この不確実性について、現在真面目に検証している例は無いといいます。