小惑星から世界を救うというのは、人類にとってロマンのある話です。これを題材にした映画も数多く存在ます。
しかし、実際小惑星による人類滅亡の危機が訪れた場合、最善の対処法はなんなのでしょうか?
核で撃ち落とすのがいいでしょうか? 宇宙船をぶつけて軌道を反らすのがいいでしょうか?
もし、このような自体に陥ったとき、人類は速やかにいずれかの対策を決断する必要があります。そのとき、何の指針もなくて大丈夫なのでしょうか?
そこでMITの研究者チームは、真面目に小惑星から地球を救うためのガイドラインを作成し、論文として発表しました。
この論文は、宇宙の平和的な科学探査に関する査読付きの科学雑誌『Acta Astronautica』2月号に掲載されています。
https://doi.org/10.1016/j.actaastro.2019.10.042
小惑星の地球衝突シナリオ
今回の研究は、地球に衝突する可能性が少なからず存在する潜在的に危険な小惑星、アポフィスとベンヌを、そらすのに、もっとも成功率の高いミッションは何かをシミュレーションしています。
小惑星が地球にぶつかる場合、重力キーホールと呼ばれる非常に狭い空間領域を通過することになります。
もし、小惑星がキーホールを通過してしまった場合、人々は非常にリスクの高い土壇場の戦略を強いられることになるでしょう。
そこで、研究者が興味を向けるのは、重力キーホールを小惑星が通過することを阻止するというものです。
これが危険な小惑星に対する、混乱の少ない先制攻撃になります。