- 臨終間近にある老星「W43A」の高解像度撮影に成功
- 星がd噴出しているジェットの様子から、惑星状星雲への変化段階にあることが判明
地球から約7200光年の場所にある星「W43A」は、寿命が尽きる直前段階にあります。
今回、鹿児島大学およびスウェーデン・チャルマース工科大学の共同研究により、W43Aから噴き出すジェットとその周辺物質をこれまでにない高解像度で捉えることに成功しました。
W43Aは、星が一生を終えた後の姿である「惑星状星雲」への変身の真っ最中にあり、変化のメカニズムを知る上で貴重なデータとなっています。
研究の詳細は、2月13日付けで「The Astrophysical Journal Letters」に掲載されました。
https://iopscience.iop.org/article/10.3847/2041-8213/ab70b8
寿命を終えた星が進む道は?
太陽と同程度の質量を持つ星は、寿命を終える直前に赤色巨星へとなって膨らみ、その後、ガスを吐き出して惑星状星雲へと変化します。
惑星状星雲のかたちは、もとになる星が球状であるにもかかわらず、棒状や左右非対称になったりすることから、形成メカニズムの解明に注目が集まっていました。
現在までの研究で、そのかたちは、もとになる星が「単独星」か「連星」かによって変わることが分かっています。
単独星なら、ガスが左右対称に噴き出すので、惑星状星雲も球対称になります。対して、連星では、片方の星から噴き出したガスがもう片方の重力の影響を受けて、左右非対称になります。
しかし、W43Aについては、周囲がすでにガス物質で覆われているため、星自体の直接的な観測はできていません。