難点は主星が「赤色矮星」であること?
一方で、地球と異なる点は、Kepler-1649cの主星が「赤色矮星」であることです(地球の主星である太陽は、主系列星)。
赤色矮星を主星にする惑星システムには、理論的に、生命の存在を困難にする問題が主に2つあります。
1つは、赤色矮性と惑星が非常に近距離にあることです。
赤色矮星の放つ光は低温で弱いため、これを主星とする惑星のハビタブルゾーンは必然的に狭くなります。
主星と惑星が近距離にあるほど、互いに潮汐ロックされる確率が高くなります。潮汐ロックとは、2つの天体の自転と公転の周期が等しくなることを意味するので、互いに対して常に同じ面を向けることになるのです。(月と地球はまさにその一例)
すると、惑星の片側は永遠に昼、片側は夜となってしまい、惑星内の温度差が大きくなります。これは、生命の誕生を妨げる要因の一つです。
もう1つは、赤色矮星がしばしば閃光星であることです。
閃光星とは、急にエネルギー放出を変動させる変光星のことで、突発的に明るさを増すフレアを起こします。このフレアが惑星内の環境を過酷なものにし、生命が存在しづらくなるのです。
しかし、これらはあくまでも理論上の話であって、Kepler-1649cが住めない環境にあるとはかぎりません。
地球外生命体が存在する可能性は十分に残されています。
ですが、もし住めることが分かっても、300光年も離れていると人類の移住先としては現状ボツになりそうです…。
- 宇宙望遠鏡・ケプラーが集めていたデータの再分析から、ハビタブル惑星を発見
- サイズと気温の面で地球に非常に近い
- 主星が「赤色矮星」なので、生命が住みにくい環境になっているかも
研究の詳細は、4月1日付けで「The Astrophysical Journal」に掲載されました。