多くの人は「ウイルスはすべての人に同じ影響を与えるわけではない」と考えています。
これは真実ですが、注意すべき考えでもあります。
なぜなら、すべての人は「自身が感染し、他の人も感染させる」という共通の影響を受けているからです。
Youtubeチャンネル「Life Noggin」は、彼らのビデオで「症状」だけに注目して油断しないよう警告しています。
わたしたちは、「無症状」もしくは「発症前」かもしれない
健康そうに見えても、実際にはウイルスに感染している場合があります。
これは、「無症状(asymptomatic)」と呼ばれます。
無症状とは、ウイルスや病気の症状が無い人に当てはまりますが、この人たちは実際にウイルス感染しており、「ウイルスの影響を受けている」と言えます。
そして、「無症状」はしばしば「発症前(presymptomatic)」と混同されることがあります。
「発症前」とは、感染していますが「まだ」症状が出ていないという意味です。
潜伏期間はウイルスの種類によって異なるので、「発症前」なのか、「無症状」なのか、「症状がある」のかは時間の経過でしか分かりません。
そして、ウイルスの症状は、人によって大きく異なります。
同じ種類のウイルスでも、ある人には軽い症状が出るだけで自宅で治療が可能な場合ももありますし、別の人は重傷で病院に運ばれる場合もあります。
また、高齢者や既に他の病気を患っている人は、より深刻な状態になる傾向があります。
専門家の中には、遺伝子の変異が関係しているかもしれないと考えている人もいます。
体の免疫反応をサポートする遺伝子が人によって異なる可能性がありますし、特定の血液型が保護遺伝的特徴を持っている可能性もあります。
しかし、どんな背景があるにせよ、どんな症状が出ているにせよ、「感染した人はウイルスを広めてしまう」という事実は共通しています。
症状が無くても、ウイルスを広めてしまうのです。
インフルエンザを例に考えてみましょう。
インフルエンザにかかった人は、症状が出る前にウイルスを拡散し、他の人に感染させることができます。
2016年の研究によると、インフルエンザにかかる人の約16%は無症状です。
そして、インフルエンザやそれに類するウイルスは、主に咳やくしゃみ、会話の際の飛沫によって感染すると考えられています。
ですから、そうした症状があるとウイルスを感染させる可能性は高くなるのは事実です。
しかし、症状がある人は予防策をとったり隔離されたりするので、感染の危険を抑制できているでしょう。
ところが、無症状の人はそのような対策をしない傾向にあるので、周囲にウイルスをばらまいてしまいます。
ですから、「症状」だけに注目するのはやめましょう。
すべての人は「自分が既にウイルス感染しているかもしれない」と考え、そのための対策をとらなければいけません。
感染経路を正しく知ることが大切です。ウイルスは目、鼻、口から侵入します。
当然、話すだけでもウイルスを拡散する可能性があります。
「物から人」よりも、「人から人」の方が感染しやすいことも覚えておきましょう。