レーザーで無線コントロールできる
フライヤーは、下側のプレートをレーザーで加熱することで、温度差による空気循環を起こし、それが中空構造を通ることで浮き上がります。
研究主任のイゴール・バルガティン氏によると、「地球の重力下では難しいですが、火星なら十分に浮く」とのこと。
レーザーの照射には、地上を移動する火星探査ローバーが使用されます。ピンポイントレーザーを用いることで、まるで無線で凧を飛ばすように自由に操縦できます。
また、フライヤーの重さは、1ミリグラムの約3分の1しかありません。これなら、火星ヘリコプター1機の代わりに、約100万個以上のフライヤーを輸送することが可能です。
一方で問題点もあります。
火星の重力が地球より低いと言っても、フライヤーが積載できる重さはせいぜい数ミリグラムです。
そのため、フライヤーに搭載予定のセンサーを小型・軽量化する必要があります。
こうした点をクリアできれば、ローバーを遠くまで移動させなくとも、フライヤーが同じだけの仕事をしてくれるでしょう。
研究の詳細は、「Advanced Materials」に掲載されました。