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レーザー照射で火星の空を浮遊する「ナノフライヤー」が開発中

2020.04.23 Thursday

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Nanocardboard flyers / Credit: Bargatin Group, Penn Engineering

現在、ペンシルベニア州立大学(米)により、火星の大気調査を目的とする「ナノカードボード・フライヤー」の開発が進められています。

下からレーザーを照射して温度差による空気循環を引き起こし、それを利用して浮遊するという仕組みです。

動翼部をまったく必要としないため、『2001年宇宙の旅』のモノリスのように空中を移動できます

また、ショウジョウバエ1匹分ほどの軽さなので、火星への大量の持ち込みも可能です。

「ダンボール」の仕組みを応用

火星の大気調査には、現在、無人航空機である「火星ヘリコプター」の導入が予定されています。

しかし、火星ヘリコプターは重くて仕組みも複雑なため、1機しか持ち込めないのが難点です。火星上で故障を起こせば、代替えがきかず修理もできません。

そこで研究チームは、火星ヘリコプターに代わる機器として、2017年からナノカードボード・フライヤーの開発を進めていました。

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火星ヘリコプター/Credit: mars.nasa

ナノカードボード・フライヤーは、名前が示すように、ダンボール紙(cardboard)の技術を応用しています。

2枚の酸化アルミニウム・プレート(厚さ数ナノメートル)の間に、ダンボールと同じ波型構造が挟みこまれているのです。

この技術は「サンドイッチ構造合成材(Sandwich-structured composite)」と呼ばれています。

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Credit: en.wikipedia

メリットは大きく2つあって、1つはプレート同士の間が中空になるので、軽量化が可能なこと。そしてもう1つは、中空部分が衝撃を吸収するため、耐久性がアップすることです。

しかし、最も重要な点は、中空構造が浮遊を可能にすることでしょう。

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