原子の重さを測るには動きにくさを測ればいい
研究者たちは単一の原子を特殊な磁場に閉じ込めて、一定の速度で回転するように調整しました。
もし原子が重くなれば、原子はそのぶん回転速度が遅くなります。なぜなら、質量は物体の動きにくさを定義の一つにしているからです。
宇宙空間で小さなボールを蹴ると、ボールは簡単に飛んでいきますが、重い人工衛星を蹴っても動きません。
これは人工衛星がボールよりも質量が多い分だけ、動きにくくなっているからです。
同じように原子がエネルギーを与えられ、重くなっていれば、同じ構造の原子でも回転速度も遅くなります。
この物理学の原理を元に、研究者たちはレーザーを使って原子にエネルギーを与え、原子の回転速度の変化を調べました。
その結果、エネルギーを与えた原子では、回転速度の低下が観測されたのです。これは原子がエネルギーを得ることで重くなることを意味します。
スマホも充電によってバッテリー内部の原子にエネルギーが蓄えられれば、そのぶん重くなると考えられます。