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無秩序に明滅する謎の星!たて座δ星のパターン解析に成功

2020.05.15 Friday

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Credits: NASA’s Goddard Space Flight Center
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  • たて座デルタ型変光星は、雑音の混じったような不規則な脈動パターンを示す
  • NASAの系外惑星探索ミッションは、2分おきの撮影で、この変光星のパターンを発見した
  • 若い変光星や、たまたま極が正面に見えている場合、規則的なパターンが捉えられると考えられる

変光星は規則的に明るさを変化させる星のことで、そのパターンから星の年齢や大きさ、組成など様々なことを調べることができます。

しかし、宇宙にはまったく不規則な脈動を繰り返す不可解な変光星も存在します。

その代表が「たて座 δ星(たてざ でるたせい)」です。

この星は音楽に例えるならば、雑音混じりのごちゃごちゃな音を放つ複雑な状態で、通常和音のように綺麗なパターンを放つ変光星とは異なっています。

天文学者たちは、長らくこの星の不規則な脈動を理解するために苦労していましたが、今回そのパターンを発見できました。

不規則な脈動の星

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Credits: NASA’s Goddard Space Flight Center

この不規則に脈動する星は1900年に南の空に浮かぶ「たて座」の中に見つかりました。

その後、ケプラー宇宙望遠鏡や、系外惑星探索ミッションなどで、同様の星が1000個以上発見され、これらは最初に見つかった星の名にちなんで、たて座δ型変光星と呼ばれています。

変光星が脈動する理由は、星の内部で起きた核融合のエネルギーが表面に伝わって明るさを変化させるからです。

たて座δ型変光星は、地球時間で1日の間に1~2回という高速で自転する恒星で、赤道部分が膨らみ極点が潰れたような楕円形になっています。

この極端な楕円形のせいで、星の内部のエネルギーが表面に伝わるタイミングを地域ごとに乱してしまうため、脈動が不規則で複雑になってしまうのです。

地質学者たちは、地球内部を伝わる地震波の反響の速度や方向の変化から、地球の内部構造がマントルや外核、内核に分かれているという事実を明らかにしています。

同様に、天文学者たちは星表面に現れる小さな光のゆらぎを検出することで、星の年齢や、温度、組成や内部構造まで推測しているのです。

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星の内部で音波が跳ね返ることで、星は膨張と収縮をおこし、明るさを変化させる。/Credits: NASA’s Goddard Space Flight Center

しかし、不規則に脈動するたて座δ型変光星ではこうした調査がうまくいきません。

そこで今回の研究者たちは、NASAのトランジット系外惑星探索衛星(TESS)の調査データを利用して、その分析を行いました。

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