赤の次は緑…?
現在、南極大陸の各地で、雪が緑色に変化するグリーンスノウ現象が見られ始めています。
これは抹茶シロップを盛大にこぼした…わけではなく、温暖化によって雪の中に潜む藻が繁殖していることが原因です。
それぞれの藻のサイズは微小ですが、集団で繁茂することで広大な範囲が緑化し、宇宙からも観測できるほどだといいます。
今回、ケンブリッジ大学と英国南極観測局は、人工衛星と南極観測所の画像データを用いるで、緑化がどれほどの範囲まで拡大しているかを明らかにしました。
温暖化と動物のフンで増殖
雪の中に潜む藻は「氷雪藻(ひょうせつそう)」と呼ばれ、光合成を通して大気中の二酸化炭素を吸収し、繁殖します。中には、赤や黄色に変色する氷雪藻もいます。
今回の緑化は、主に、南極大陸の西部にある「南極半島」の海岸沿いに見られました。南極半島は、ここ50年で最も急速に温暖化が進んだ南極大陸の場所として知られます。
調査によると、緑色の氷雪藻は、南半球の夏期間である11月〜2月にかけて、平均気温が摂氏0度を越えると一気に繁殖していました。
また、氷雪藻の繁殖は、温暖化だけでなく、同地に生息する鳥類や哺乳類の影響もあります。動物のフンが栄養価の高い天然肥料となって、成長を促進するのです。
今回確認された緑化の60%以上が、ペンギンのコロニーから5キロ以内にありました。他にカモメの営巣地やアザラシの上陸場所の付近でも、同様の緑化が見られています。